餅の巡洋艦日記

WoWSの戦艦と巡洋艦についての書きものです.

Nevskyにみる火力優勢の作り方

 前半では、立ち回りを考える材料としての一般論である「撃沈と占領への貢献」「射線の原理」について解説しました。後半では、巡洋艦および戦艦相手の砲戦におけるNevskyの有利・不利を距離ごとにまとめました。

 

 

1       構成とコンセプト

 艦艇の基本的な構成について、概略を説明します。

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Figure 1 艦長スキル(20 pt)・アップグレード

1.1    アップグレード

 アップグレードは推力転舵に射程です。機動性を改善して中距離砲戦という得意分野をさらに強化する狙いがあります。隠蔽距離が悪化しようが、近距離砲戦はもともと不得意なので立ち回りに悪影響はありません。また、最大射程を伸ばすことで瀕死の敵艦の追撃に生かすこともできます。主砲弾道が極めて優秀なので、素の19.0 kmから更に射程を伸ばしてもまだまだ戦艦への命中が期待できます。

1.2    艦長スキル

 艦長スキルは隠蔽と管理、そしてIFHEが肝です。軽巡砲のIFHEについては賛否両論ですが、32 mm貫通可能にしておけば対戦艦、とりわけ仏戦と英戦の相手が若干楽になります。ただ、それでもこの巡洋艦にとって敵戦艦の押し上げを止めるのは不得手な仕事という印象は変わりません。

 余ったスキルポイントの使い道は色々ありますが、せっかくの対空能力を引き出すために対空系(2+4 pt)を取っています。他には装填手(1 pt), 火薬技術者(2 pt), 消耗品技術者(1pt), 消耗品強化(2 pt), アドレナリン・ラッシュ(3pt)のあたりが候補になるかと思います。

1.3    性能の要点と立ち回りの起点

 Nevskyの性能についての細かい話に先立って、2つのコンセプトを簡単に説明します。

1.3.1    中距離から敵巡洋艦を起点に火力優位を取る

 Nevskyはハイレベルに両立された主砲弾道と機動性を生かして、14~20 kmの間合いで巡洋艦に撃ち勝てます。AP貫通力も蔵王砲並みと高めなので、有効射程ギリギリの遠い間合いからでさえ防郭への有効射を出せます。一方で、IFHE込みでもHE貫通力が32mmに留まり戦艦に対しては火力不足を感じます。

1.3.2    「味方を狙う敵」を主砲や対空で排除する

 用意周到に得意な状況を作り上げてから、数的不利を覆すほどの瞬間的な大ダメージを狙う……ような艦艇ではありません。味方戦艦を撃ち続ける敵巡洋艦を撃ち下げる、味方駆逐を脅かす敵巡洋艦駆逐艦を押し下げる、あるいは瀕死の味方艦を狙う航空機を撃ち落とすなど、味方の脅威になる敵を事前に排除するような戦い方を得意にする艦艇です。

2       勝利条件から考える戦術の原則

 Nevskyの立ち回りという個別論のまえに、まずは一般論として戦術の原則を抑えます。艦艇の勝ちパターンを組み立てるうえで、この章の内容は艦種を問わず役に立ってくれるはずです。

2.1    勝利条件

 おふねに限らず、ゲームの戦術はすべて勝ちに結びつくものでなければなりません。おふねの勝利条件を優先順位に従って列挙してみます。

①敵が全滅
②味方が1000ptに到達 or 敵が0ptに到達
③戦闘時間終了時にポイントで優勢

 ポイントの増減は、撃沈と陣地占領によります。まとめると、すべての戦術的な行動は撃沈または陣地占領のいずれかを目的にしている必要があります。これはすべての原則や経験則に優先する、第一原理というべきものです。

2.2    撃沈への貢献

 火力劣位ならば隠蔽に逃げることで損な撃ち合いを避ける、というのは砲戦の鉄則です。HPに差がない状況から撃沈数で優位に立つにはダメージレースに勝たなければならず、そのためには火力優位と視界を両立する必要があります。一方で、ダメージの収支では負けていても敵艦を撃沈できる場合は撃ち合いが許容されます。撃沈可能性の見極めについてもこの節で説明します。

2.2.1    火力優位の4要因

 説明の便宜上、火力優位を①数的優位②位置的優位③性能的優位④技量的優位、これら4つの要因に分類します。以下に実例を列挙します。

「Aサイドは味方戦艦3隻に対して敵戦艦2隻」…①
単純に隻数を数えて優劣を判断しているので、数的優位に属します。
「敵戦艦2隻とも島陰にいて仕事をしていない」…①②
 敵戦艦は位置が悪いため攻撃対象を失っています。位置的優位に数的優位が組み合わさったものです。
「味方戦艦2隻が大きく開いた位置にいるので、敵の向きにかかわらずどちらかのAPが刺さる」…②
 いわゆるクロスファイアです。APの貫通システムをもとに、位置的優位を組み合わせています。
「敵が陣地を踏んできても、味方巡洋艦が島陰から飛び出して敵を処分してくれるはず」…②③
 敵が踏まざるを得ない陣地に待ち構える位置的優位と、近距離で敵に撃ち勝てる性能的優位です。
「こちらのほうが敵より有効射程が長く、一方的に撃ち勝てる」…③
 有効射程の差という性能的優位です。
「対面が同じ艦艇でもこっちのほうが命中を出せるので勝てる」…④
 照準精度というプレイヤーの技術の差をもとにした、技量的優位です。

 このゲームは数的同数で試合が始まるので、数的優位のみを頼るわけにはいきません。残りの3つの優位をいかにして活用するかが腕の見せ所になります。

2.2.2    視界の3分類

 視界は①水上視界②航空視界③特殊視界の3つに分類できます。特殊視界とは、レーダー、ソナー、煙幕内発砲発見、強制発見の4種類をまとめたものです。①②は地形や煙幕で遮られますが、③はそれらの影響を受けないというのが大きな違いです。ただし、③のうち煙幕内発砲発見は地形で遮られます。         

 撃沈を目的にした視界は、火力優位を背負っている必要があります。砲戦で撃ち負ける局面では、視界を取る意味がありません。

2.2.3    撃沈可能性

 ある敵艦の撃沈可能性を評価するにあたって、まずその敵を潜在的に撃てる味方艦艇を数えます。いまのところ別の敵を撃っている味方艦でも、照準を変更して命中弾を出せる場合は数えます。ただし、弾速などの影響で味方艦が命中弾を出せそうにない場合は除外します。そして、数え上げた味方艦すべてが集中砲撃を30秒間、着目する敵に与えた場合に撃沈が取れるかどうかを基準にします。具体的には、敵を有効射程内に捉えている味方1隻あたり最低5kを見込んで、HEの場合は火災と貫通可能性、APの場合は敵の防郭を抜けるかどうか、跳弾されないかを姿勢から判断して加算すると正確に見積もれます。火災は60秒でHPの18%を削りますが、応急工作班が残っていれば1回目の火災は消火されます。

 特定の敵艦がまだまだ十分なHPを持っていても、将来的に大ダメージを受けて先ほどの基準のHPを割り込むことが見込めるならば、撃沈可能性が高いと判断します。例示すると、転舵中に味方戦艦のAPが刺さりそうな敵艦、味方駆逐の魚雷が刺さりそうな敵艦などが該当します。大口径APと魚雷は戦況をひっくり返す大ダメージの源です。

 てぃけし氏によるとこちらから敵に突っ込むときのキーワードは3つの「きる」です。敵が突っ込んできた場合には、この3つの基準を適用して撃沈を取れるかどうか判断できます。

 

 試合終盤では、1vs1に持ち込んで自分が沈む前に相手を沈められるかという判断が重要になります。大まかには投射量の優劣とお互いのHPをもとにして、魚雷やラムを付け加えて判断します。

2.3    陣地占領への貢献

 陣地占領に関する状況は①占領を防ぐ②占領を取る、以上の2局面に分けて考えると便利です。

2.3.1    占領を防ぐ

 占領を防ぐ方法は①踏み合い②占領切りの2種類があります。

 踏み合いとは、こちらの艦艇を陣地に侵入させて敵の占領ゲージの進行を止める方法です。踏み合いに対して敵はこちらの占領艦を陣地から排除しようとするので、今度は味方占領艦に対する敵の攻撃を阻止することが味方全体の目標になります。あるいは、火力優位を得ているならば撃沈狙いの砲戦に持っていくのもアイデアのひとつです。視界ではなく陣地占領を餌にして、敵に不利な交戦を強制するわけです。

 占領切りとは、陣地内の敵艦を撃つことで占領ゲージを削る方法です。撃沈への貢献と同様に、敵艦への視界と火力が両立する必要があります。撃沈狙いの砲戦との大きく違うのは、占領切りは撃ち勝つことを必要としません。敵を陣地から追い出すことができれば、目標達成となります。

2.3.2    占領を取る

 占領を取るにあたっては、こちらの艦艇を陣地に侵入させる必要があります。敵が妨害してこない場合はそのまま陣地を取れて儲けものですが、陣地占領は取ることよりも阻止することのほうが容易なのでそう簡単にはいきません。もし敵が占領の阻止を狙ってくる場合には、先の「占領を防ぐ」で述べたように踏み合いにあたっては敵占領艦の排除、もしくは敵の占領切りの阻止を目標にします。

 陣地占領の重要性は、その陣地がもたらすポイントで決まります。占領後に占領ポイントが入り続けるか、敵と踏み合いになっても奪われない陣地は占領の価値があります。反対に、占領してもその後に敵に奪われる可能性が高い場合は占領の価値が低くなります。

3       位置的優位を生み出す射線の原理

3.1    射線を単純化したモデル

 射線について考えるにあたって、現実のゲームを大幅に簡略化したモデルから始めます。それぞれの艦艇の(時間あたり)与ダメはすべて等しいと仮定して、距離・射角・姿勢の影響は考慮しません。隠蔽についても考慮せず、常にすべての艦艇が発見状態であると仮定します。ただし、射線は地形によって遮られることがあります。また、射線は常に双方向に通るものとして、島越しや煙幕越しなどの一方的な射線はないものとします。実際のゲームでいえば、開けている海域の撃ち合いに近いモデルといえるでしょう。

3.1.1    機能している艦艇

 「射線を1本以上通している」艦艇の合計数が、そのまま味方や敵の与ダメージの合計になります。射線を全く通していない艦艇はダメージに寄与せず、射線を複数通していても同時に撃てる敵は1隻に限られるためです。ここから実戦のための教訓を取り出すと、「有効射程内に敵を1隻捉えてさえいればよく、複数の射線を通す必要は必ずしもない」ということになります。有効射程を性能論的に正確に把握しておくことももちろん重要ですが、命中弾が出ているかどうかを確認しながら撃つことを習慣づけておけば有効射程外への無駄撃ちを減らせます。

 発砲か隠蔽かの判断をするためには、自分が発砲後に発見されることで敵の機能している艦艇数がいくつ増えるかを考えると便利です。2隻増加する場合は隠蔽に留まったほうがよく、増加しない場合はノーリスクで発砲できます。

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Figure 2 機能している艦艇 (点線:射線)
3.1.2    孤立化と局所の数的優位

 もし数的均衡あるいは劣勢の状況でも、敵の機能している艦艇数を減らすことができれば局所的な数的優位を生み出すことができます。機能している艦艇数とは「射線を1本以上通している」艦艇の数であることから、特定の敵艦からの射線を0本にすればこの目標を達成できることが分かります。特定の敵艦からのすべての射線を遮断するこの行動を、重要なコンセプトのひとつとして「孤立化」と呼ぶことにします。

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Figure 3 孤立化 (点線:射線, 実線:動線)

3.2    隠蔽を取り入れたモデル

 ここからは隠蔽のルールを取り入れます。それぞれの艦艇は「射撃」か「隠蔽」かを選択でき、「射撃」を選んだ艦艇のみが敵の攻撃対象になります。また、一部の艦艇がスポットを受ける場合、すなわち射撃状態を強制される場合も考えます。また、この節では単純化のために地形の影響を考慮しません。すべての艦艇の間に射線が通っていると想定します。

3.2.1    視界の意義①火力優勢の確定

 スポットが存在しない場合、数的劣勢側は全艦が隠蔽状態を選ぶことが正解になります。1隻でも発砲すると、敵は全艦が射撃を選ぶため火力劣勢が確定します。

 数的優位に立つこちらが敵にとって不利な撃ち合いを強制するためには、敵を1隻のみスポットすれば十分です。視界のおかげでお互いに全艦が射撃状態を選ぶ結果に落ち着き、数的優位が火力優位に結びつきます。

 反対の状況として数的優位な勢力がスポットを受けた場合を考えても、数的劣勢側は変わらず全艦隠蔽状態が正解なため視界の貢献はありません。火力優位と視界は片方を欠くと意味が無く、揃ってこそ効果を発揮します。

3.2.2    視界の意義②不確実性の排除

 前項ではお互いに敵勢力の全体像が分かったうえでの発砲判断を取り上げましたが、実戦では敵の位置や数が判明しない状況もあります。視界のもうひとつの意義は、発砲判断のための情報を集めることにあります。

3.3    射線の無効化

 この節では、地形を利用する以外の手段で射線を切る方法について検討します。

3.3.1    有効射程

 敵艦の有効射程の外に出ることで、敵艦からの射線を無効化できます。

3.3.2    防御姿勢

 戦艦どうしの撃ち合いでは、縦向きの姿勢を取ることで敵APの防郭貫通の阻止や跳弾が可能になります。

4       Nevskyの性能的優位を理解する

 火力優位のためには4つの優位が必要であると説明しましたが、この章では性能的優位に焦点を当てます。巡洋艦および戦艦との1vs1における、Nevskyの得意あるいは苦手な状況を理解することが狙いです。

 本章で取り上げる交戦距離とAP有効射程はあくまでも計算による推定値で、現実の挙動を正確に反映しているとは限りません。ここで示す数字はあくまでも目安にして、実戦の感覚を優先してください。

4.1    巡洋艦相手の砲戦

 この節では、Tier10巡洋艦を相手取った1vs1の砲戦を取り上げます。Nevskyが得意とする、あるいは苦手とする交戦距離を把握することで、性能的優位の確立につなげます。

 Tier10巡洋艦を①大巡ソ連220mm砲巡②重巡ソ連180mm砲巡③軽巡・駆逐砲巡の3種類に分類してから、それぞれ順番に解説していきます。

4.1.1    大巡ソ連220mm砲巡

 大型巡洋艦とは主砲口径が280mm以上の巡洋艦を指し、AP貫通力に優れるものの投射量の低い主砲と、優秀な耐久・装甲が特徴です。ソ連220mm砲を搭載した巡洋艦もよく似た特徴を持つため、ここでまとめて解説します。

図の読みかた

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Figure 4 vs. Puerto Rico

 上図は対Puerto Ricoを示したものですが、その前にまず上記の表について説明しておきます。横軸の数字は距離を示しており、単位はkmです。緑の線はNevsky砲の有効射程を示しており、図中のテキストにあるように上段がHE、下段がAPです。赤の線は敵艦の有効射程で、上段がAP、下段がHEです。APの横線に対して垂直に描かれた線はAPで敵の防郭を貫通できる距離を示しており、敵艦の姿勢が0°(舷側に向かって垂直)、45°の場合それぞれに示してあります。灰色の縦線は推力転舵Nevskyの隠蔽距離で、灰かけの部分は敵の隠蔽距離を示します。

Puerto Rico

 NevskyはPuerto Ricoに対して14~19kmの広い範囲で距離の優位に立っており、容易に撃ち勝てます。しかしPuerto RicoのAPはNevskyの防郭を全距離で貫通可能なため、最低限の回避機動は必要です。また、NevskyのAPは通常の交戦距離では敵の防郭を抜くことはできません。

Yoshino

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Figure 5 vs. Yoshino

 得意な間合いが15~18km程度と、Puerto Ricoと比べて若干狭くなっています。Nevskyが敵の防郭を抜ける距離は15km以下とこちらは実用的な数字になっていますが、当然ながらこの距離は敵APの有効射程内でもあります。

Stalingrad

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Figure 6 vs. Stalingrad

 交戦距離はYoshinoとほとんど同じ感覚ですが、Nevskyの有効射程の上限である18km付近でも敵Stalingradの防郭を狙えるのは非常に大きな違いです。横っ腹を捉えた状況では積極的にAPを撃ち込みましょう。ただし先に述べた2隻の大巡と同様に、敵は全距離でこちらの防郭を狙えます。

Petropavlovsk

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Figure 7 vs. Petropavlovsk

 交戦距離ではあまり差がないものの、Petropavlovskは遠距離で主砲精度が悪化するため20km近辺での砲戦はNevsky有利な感触があります。18km以下ではあちらのAPが厄介で、五分五分かやや劣勢です。撃ち勝つことはなかなか難しい相手です。また、図上では14km以下でAPが刺さることになっているものの、Petropavlovskはバイタルが非常に低いため安定してぶち抜くことは難しい印象です。12km以下の近距離では狙えるかもしれません。

Moskva

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Figure 8 vs. Moskva

 交戦距離では差がつかない相手ですが、実戦でよくあるMoskvaが縦を向いて停止している状況ではこちらの有効射程が伸びるため、20km付近を目安に撃ち合うとよいでしょう。実戦の感覚でいえば、NevskyのAPは19km以下でMoskvaに刺さります。

4.1.2    重巡

 重巡とは主砲口径が203mm~240mmの巡洋艦を指しますが、それぞれの性能は千差万別で、これといった共通点は見出せません。ソ連180mm砲もゲームシステム上は軽巡砲に準じる扱いですが、弾道や貫通力ではむしろ重巡砲に近い特徴を持ちます。

 Goliath

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Figure 9 vs. Goliath

 先ほどまでの大巡相手の場合と比較して若干近めの交戦距離になっています。有利な間合いは13~18kmと非常に広く、こちらの隠蔽距離でもあちらの有効射程外という圧倒的な優位にあります。ただし、こちらから頭を向けて突っ込んでしまった場合にはAPで防郭を抜かれる可能性があります。

Hindenburg

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Figure 10 vs. Hindenburg

 14~18kmで撃ち勝てるうえに、有効射程内であればAPで防郭が狙えます。Hindenburgは船体の奥深くに重防御が貼られているため、防郭を抜けなくてもAPの貫通弾を貰いやすい特徴があります。敵が舷側を晒していれば積極的にAPを撃ち込んでよいでしょう。Nevskyのお得意様といってよい巡洋艦です。

Des Moines

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Figure 11 vs. Des Moines

 得意な間合いは13~16kmで、さらに全距離で防郭を狙えるためかなりの優位にあります。一方でDes MoinesはAP貫通力と投射量が凶悪なので、こちらから頭を向けて突っ込んでしまうと勝ち目はなくなります。舷側を晒して逃げ帰ろうとしても、APで溶かされる憂き目に遭います。

Henri IV

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Figure 12 vs. Henri IV

 Henri IVがエンジンブーストを使用した条件では得意な間合いが狭まり、15~16km程度に限られます。性能差が出づらい相手です。こちらのAPは15km以下という隠蔽距離を割り込む間合いでしか防郭を抜けません。Henri IVのAPも貫通力こそ強力ですが、弾道が悪いため有効射程外の14km以遠では回避が容易です。

Venezia

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Figure 13 vs. Venezia

 15~17kmで撃ち勝てるうえに、APが16kmから防郭に通ります。VeneziaのSAPもなかなか強力ですが、しっかりと艦を立てて受ければダメージを大幅に減らせます。

Nevsky

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Figure 14 vs. Nevsky(隠蔽)

 実戦で撃ち合いが多発するのは18km周辺で、双方に命中弾が出ない不毛な展開になりがちです。この距離では有効射程の外ではあるもののAPは依然として防郭を狙える距離なので、姿勢のコントロールが重要です。30°程度でもよいので軽く傾けてさえいれば大丈夫です。

Zao

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Figure 15 vs. Zao

 もっとも撃ち勝つことが難しい相手です。お互いの有効射程が被っているうえに、どちらもAPで防郭を狙える距離にあるため回避が制約を受けます。Nevskyどうしの砲戦は不毛な展開になりがちな一方で、Zaoとの砲戦は削り合いといった様子になります。

4.1.3    軽巡

 軽巡とは主砲口径が152mmの巡洋艦を指します。主砲弾道に劣るものの投射量に優れる主砲、そして優れた隠蔽性で駆逐キラーともいうべき巡洋艦が揃います。駆逐砲巡は軽巡をさらに極端にしたような性格づけがされており、投射量が極めて高い一方で耐久に重大な欠点を抱えています。Nevskyからするとおおむね12~16kmの範囲で撃ち勝てるうえに、全距離で防郭を狙えます。

Worcester

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Figure 16 vs. Worcester

 12~15kmという近めの距離が稼ぎどころになります。APは全距離で防郭を狙えるため、敵Worcesterの意識外からAPを遠距離射撃して事故を狙うといった運用ができます。

Minotaur

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Figure 17 vs. Minotaur

 Minotaurを見かけたらどこでもいつでもAPを撃ち込みましょう。機動性が高いと思われがちなMinotaurですが、意外にも16kmまで有効射程内になります。

Plymouth

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Figure 18 vs. Plymouth

 Minotaurとほとんど同様の感覚で事足ります。

Smolensk

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Figure 19 vs. Smolensk

 有効射程は意外と短く、得意な間合いは13~15kmに限られます。対軽巡と同様に、敵姿勢が45°以下であればAPを撃ちます。

Colbert

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Figure 20 vs. Colbert

 Colbertがエンジンブーストを使用した場合の間合いの感覚はSmolenskに似ますが、若干近めになります。

4.1.4    巡洋艦のまとめ

 かなり長めの節になってしまったので、内容を簡単にまとめておきます。

大巡・ソ220mm砲巡:16~19kmが目安。ソ巡相手は防郭が狙える。敵は全距離でこちらの防郭を抜く。

重巡・ソ180mm砲巡:低機動性で対戦艦を得意とするGoliath, Hindenburgは14~18kmが目安。Des Moines相手は13~16km. Venezia, Henri IV, Nevsky, Zaoには15~16kmで辛うじて撃ち勝てる。Goliath以外にはAPが通る。

軽巡・駆逐砲巡:13~15kmが目安。舷側を捉えれば全距離でAPを撃ち込む。

 Nevskyはどの巡洋艦を相手にしても交戦距離で優位に立てるという、強烈な個性を持っています。さらに、十分な貫通力と優れた弾速を併せ持つAPは巡洋艦に対する決定打になります。一方で、近距離砲戦は基本的に避けるべきです。敵の撃沈が狙える場合や、こちらが一方的にAPを刺せる状況に限って許容されます。

4.2    戦艦相手の砲戦

 戦艦相手の砲戦ではこちらのAPを考慮する必要がない(どうせバイタルに刺さらない)ので、巡洋艦の場合に比べて簡略化できます。この節では戦艦を2つの基準①主砲口径431mm以上(30mm跳弾無視)②表面装甲32mm超(180mmHE不貫通)をもとに4分類して、それぞれ解説していきます。
 1群:①②を満たす
 2群:①のみ満たす
 3群:②のみ満たす
 4群:①②いずれも満たさない

4.2.1    1群

 Kremlin, Yamato, Shikishima, Ohio, Vermontが属します。主砲弾は低速かつ機動性も低いですが、巡洋艦からすると姿勢に関係なく痛打を受けやすい厄介な艦艇が揃います。優位な距離は16km以遠で、敵の機動性が低いため最大射程でも命中打が出せます。Yamato, Shikishimaは舷側上部が32mmと弱点になっており、舷側を捉えれば貫通弾を出しやすくなっています。また、Vermontの巨大な上部構造物にはAPがよく刺さってくれます。このグループの戦艦はHE耐性が高いため、HEのダメージは火災頼みになります。

4.2.2    2群

 Thunderer, Republiqueが属します。Thundererは機動性が非常に高く、有効射程は下限が15kmから、上限は20kmで限界を迎えます。Republiqueには16kmから最大射程まで距離の優位に立てます。

4.2.3    3群

 C.Colombo, G.Kurfurst, Montanaが属します。最近実装されたC.Colomboを除くと、ランダム戦ではあまり見ない艦艇です。交戦距離の下限は順番に16km, 15km, 14kmとなっており、このグループに対しても最大射程まで命中弾が出せます。Colombo砲は弾速高めなので、気持ち遠めの距離が安全です。KurfurstにはAPがやや刺さるため楽ができますが、Montanaを相手にするとNevskyはなかなか苦しい印象があります。

4.2.4    4群

 Bourgogne, Slava, Conquerorが属します。Tier10戦艦としては打たれ弱さが目立つ艦艇ばかりですが、Bourgogneは主砲装填ブースター、SlavaはTier10最速の主砲弾、Conquerorは超回復となかなか強烈な個性を持っています。Bourgogneには16~20km, Slavaには17km~最大射程, Conquerorには14km~最大射程までで優位に立てます。敵艦に火災が発生済みな状況では、舷側にAPを撃ち込むのも有効です。とりわけConquerorは削りやすい印象です。HEだけでもダメージを出せる相手なので、APの使いどころに少々悩みます。

4.2.5    戦艦のまとめ

 おおむね16km以遠が距離の目安で、隠蔽距離近辺あるいはそれ以下の撃ち合いは厳に慎むべきです。本節の話題からは若干逸れますが、お互いの巡洋艦が戦艦を削り合う展開になるとNevskyの強みは出しづらくなります。とりわけHindenburgやGoliathなどHEの貫通力に優れる巡洋艦が対面にいる場合では、敵戦艦ではなく敵巡洋艦を狙って優位を作りましょう。Nevskyが戦艦を撃つ状況は、敵戦艦が頭を向けて押し上げてきたときに仕方なくといったような展開がほとんどです。積極的に戦艦を狙える状況を作りにいくことはありません。

 瀕死で下がっていく敵戦艦の追撃はNevskyの抜群に長い有効射程を生かす格好の見せ場です。ただし、こちらから頭を向けて突っ込むような砲戦を挑む前に「3つの『きる』」を確認することを忘れてはいけません。敵戦艦を沈めようとして、こちらが沈められる訳にはいきません。砲戦を始めてから隠蔽に戻るまでの一連の流れを想定してから、実際の砲戦を始めましょう。

4.3    偏差のめやす

 30ktの敵艦に対する偏差は以下の式で表されます。ただし、ここでいう偏差とは静的照準の双眼鏡モード最大倍率における目盛数です。

偏差(目盛) =  27 * 着弾時間(sec) / 距離(km)

 実戦ではいくつかの距離で基準になる偏差をあらかじめ記憶しておき、敵艦の速度と姿勢に応じてこの基準の偏差を加減します。例えば敵艦が36ktで直進しているならば1.2倍、敵艦が斜め45°を向いていれば0.7倍すれば横方向の偏差が求まります。また、敵艦が全舵で転舵したときの速度は直進時の0.8倍程度になります。敵艦の最大速度に関する知識が必要になりますが、実戦をこなしているうちに自然と覚えていきます。暗記が苦にならなければ、一気に覚えてしまうのもひとつの手です。

 Nevskyの場合は15km-7.36secで偏差13.2目盛、20km-10.82secで14.6目盛となります。

 おまけになりますが、防郭狙いのAPは喫水線やや上方、その他は舷側上縁から上部構造物に引っ掛けるように撃つとよいです。斜め向きの敵艦に対しては、見えているほうとは反対側の舷側上縁を目がけて撃ち込むと正確です。例えば敵艦が右舷を見せているならば、船体に隠れて見えなくなっている左舷の上の縁をイメージして狙います。

最後に

 ランダム戦10000戦到達記念にNevskyの記事を書くかと軽い気持ちで書き始めたら、なかなかの長文になってしまいました。本文ではNevskyの砲戦についての内容が殆どになってしまいましたが、対空やレーダー艦としての役割もまた重要であり、いずれ稿を改めて書く予定です。

 2章で触れた撃沈と占領への寄与については具体例が不足しているうえに、Nevskyの実際の立ち回りにどうやって繋げていけばよいのかという方法論がまだまだ考え切れず、書ききれませんでした。心残りではありますが、完璧な出来栄えを待っていると絶対にお蔵入りするのでここで一区切りつけたいと思います。

謝辞

 本文の構成や誤字・脱字のチェックについて、りばっくすさんにご協力いただきました。ありがとうございました。

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